今日は乗り物酔いに使う酔い止めについて書きたいと思います。
お出かけしている際に乗り物酔いになると気分も下がっちゃいますよね。
乗り物酔いの原因は視覚的な情報と平衡感覚をつかさどる三半規管のずれによって自律神経が乱れることで起きると言われています。
(なんかよくわからないすよね・・・、正直私もすっと理解していないです。というわけでメカニズムは知らなくていいと思います。)
そのため、平衡感覚を正常にするためのツボを押さえる酔い止めバンドも発売されています。ただ、そういったものでどうしてもよくならない方は市販の酔い止めを使うのもありだと思います。
酔い止めに使われる成分
全く覚える必要もないですが、酔い止めに使われる成分としては、
抗ヒスタミン(クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、メクリジンなど)
キサンチン誘導体(ジプロフィリン、カフェインなど)
抗コリン(スコポラミン)
アミノ安息香酸エチル
といったところになります。
あれ?抗ヒスタミンってアレルギーの薬だよね?
ジプロフィリンって気管支拡張の薬だよね?
って思う方が中にはいるかと思いますが、まさにその通りです。
(むしろそう思った方はかなり知識があるほうだと思います。)
酔い止めに使われる抗ヒスタミンは第一世代でめまいも抑える効果があると言われています。そして下記のブログでも書きましたように抗ヒスタミンの第一世代は眠気も出やすいので、乗り物酔いする前に寝てしまおうという意図もあります。
(参照記事花粉症の薬と鼻に効く風邪薬、何が違うの?(OTC) - ytekiの医療ブログ)
キサンチン誘導体(カフェイン、ジプロフィリンなど)に関しては咳止めでも使われますが、興奮作用があるので量を少なめにいれてめまい等を軽減させる目的で入っています。(参照記事【咳止め 市販薬】どれがいいの? - ytekiの医療ブログ)
スコポラミンは自律神経に作用して吐き気やめまいを改善します。
アミノ安息香酸エチルは胃粘膜刺激によって引きおこる吐き気をブロックする働きがあります。実はこのアミノ安息香酸エチルは麻酔として働いており、痔の薬にも、胃腸薬にも使われたりしています。
(参照記事【痔の市販薬】プリザとボラギノールどっちがいいの? - ytekiの医療ブログ)
こう考えると、薬の成分は色々なところで使われていておもしろいと思っています。
成分はこの辺にして、市販薬について書いていきます。
大人用の酔い止め
アネロン、センパア、トラベルミンについてまとめました。
この4種類の使い分けですが、個人的な考えで書きます。
トラベルミン1、アネロン「ニスキャップ」
1日のうち大半が乗り物による移動と分かっている場合は1日1回で済むこの2剤がおすすめかと思います。
あとは水無しで溶ける錠剤(トラベルミン1)かカプセル(アネロン「ニスキャップ」)の好みの問題かと思います。
眠気に関してはトラベルミン1に入っているメクリジン自体が眠気が少ないと言われている一方で、アネロン「ニスキャップ」にはカフェインが入っているのでマレイン酸フェニラミンの眠気を打ち消しているという形になりますので、そこまで大差ないのではないかと考えています。(※個人差はあると思いますが)
センパアQT
これは逆に寝てしまえーという感じの方にいいかもです。ただ、これまでにいろんな風邪薬を飲んで眠気が出なかったかたは眠気が出ないのではないかと思います。
トラベルミン
ジフェンヒドラミンは眠気が出やすいので、キサンチン誘導体が入っていますが、それでも眠気が出る方はいると思います。なぜならジフェンヒドラミンは市販のドリエルなどの睡眠改善薬と同じ成分となりますので。トラベルミンはより一層寝てしまえーとい方にいいと思います。(参照記事【睡眠薬 市販】処方薬と何が違うの? - ytekiの医療ブログ)
子供用の酔い止め
子供用の酔い止めに関しては成分というより、きちんと飲んでくれるかという点を重視したほうがいいような気がします。
どんなに成分がよくても飲んでくれなっかったら、薬の効果が得られませんので。
そして種類が豊富ですので、子供に合わせたものを選ぶのがよいかと思います。
大人と同様ですが1日のうち大半が乗り物による移動と分かっている場合は1日1回で済むタイプがおすすめかと思います。
11歳~大人、小さな錠剤、眠くなりにくい、1日2回まで
トラベルミンジュニア
5歳~14歳、小さな錠剤、1日3回まで
トラベルミンチュロップ
5歳~大人、ブドウ味やレモン味のドロップタイプ、1日2回まで
トラベルミンファミリー
5歳~大人、オレンジ風味、口の中ですぐ溶けるタイプ、1日2回まで
アネロン「キャップ」
7歳~14歳、カプセル、1日1回
センパアラムキュア
5歳~大人、ブドウ味、口の中ですぐ溶けるタイプ、1日2回まで
センパアプチベリー
3歳~大人、いちご風味、口の中ですぐ溶けるタイプ、1日2回まで
センパアQTキッズ
5歳~14歳、いちご風味、口の中ですぐ溶けるタイプ、1日2回まで
センパアドリンクキッズ
3歳~10歳、ブドウ風味、ドリンクタイプ、1日2回まで
センパアトラベル
7歳~大人、グレープフルーツ風味、口の中で溶けるタイプ、1日1回
センパアドリンク
11歳~大人、グレープフルーツ風味、ドリンクタイプ、1日2回まで
まとめ
【大人】
・大半が移動なら1日1回タイプのトラベルミン1、アネロン「ニスキャップ」
・もう寝てしまえーと思うならトラベルミン
【子供】
・子供が飲めそうなやつ
・こちらも大半が移動であれば1日1回のアネロン「キャップ」(カプセルタイプ)かセンパアトラベル(口の中でとけるタイプ)
正直、効果がどれが一番強いとは言いにくいので、1日1回なのか、寝てしまってOKなのか、どれが飲みやすいのかで選んでいただくのがいいかと思います。
少しでも酔い止め選択の参考になればと思います。