コロナウイルスの影響で医療機関を退職する医療従事者も出てきているようです。
かなり厳しい状況ですね。
医療に携わりたくて医療従事者になったが、医療崩壊を目の前に体力も精神的にかなり限界に近い状態なのではないかと思います。
私の友人なども、「もういつかかってもおかしくないよね。諦めるよね」「しんどいね」「もう病院にマスクが足りないから洗って何回も使ってる」という言葉を聞きます。
仕事だから仕方ないと本人たちは思っているかもしれませんが、医療に従事している方には頭が下がります。
私がもともと薬剤師ということで、医療現場での仕事について書きたいと思いますが
とりあえず前半として大学選びから国家試験について書きます。
薬学部の学生さんはもう知っていると思いますので、これから薬剤師目指そうと考えている方やその親御さんにとって少しでも参考になればと思います。
薬剤師になるためには
薬剤師になるためには、毎年行われる薬剤師の国家試験に合格することです。
その受験資格が6年制薬学部を卒業した方になります。(私の時代はまだ4年制でした)
国家試験に合格すれば、その後厚労省に登録し、薬剤師となります。医師のようにその後研修医制度はありません。
ですので、国家試験に受かればOKです。
ちなみに2020年の合格率(新卒のみ)は84%程度でした。
84%って高いじゃん!て思う方もいるかもしれませんが、この数字には少しからくりがあります。
それは、
薬学部の6年生が全員が試験を受けられているわけではないからです。
順を追って説明します。
大学に入ったら、授業に出席し、高校と同じく期末に試験があります。
この試験で点数が低い場合は赤点になります。そして再試験が実施されます。
再試験でも点数が低い場合はその授業の単位を落とすことになります。
大学の場合は、こういった単位が足りないと次の学年に上がることができません。
これが留年ですね。どの学部にもありますね。
その後学年が上がると薬局実習やら病院実習といって、実際の現場を経験します。
(いやー、最初の患者さんに接するときは緊張したなー)
さらに大学では研究室というものに入ります。
そこでは卒業論文というものを書きます。
研究室に入っている間に文献を調べたり、実験(化学系とか)をしてそれを論文とします。その卒論もなかなか大変です。
卒論が終わったら、今度は卒業試験たるものがあります。
ここに先ほどの合格率に関連するからくりがあります。
国家試験より難しい卒業試験
大学によってだと思いますが、私が卒業した大学では、国家試験より卒業試験のほうが難しかったのではないかと思います。
本当に問われているところが細かい!って思ったり。
実はこの卒業試験ですが、大学によってはこの卒業試験の結果次第で国家試験を受けさせないことがあるようです。それはつまり卒業ができないということもほぼイコールとなりますが。
そのため、各大学で6年生の在籍数と国家試験受験数が異なってきます(もちろん体調不良や何かの事情がある場合はもあると思います)。
でも、別に大学側も悪いことをしているわけではないです。
大学側としては全員卒業させて全員に国家試験を受けさせても、卒業試験で一定の点数が取れない方は国家試験の合格する可能性も低く、とりあえず卒業だけしたけど薬剤師になれないという可能性があったり、大学側としても合格率が下がるというように大学側にもその学生にもあまりメリットがないです。
先ほどの国家試験の合格率に戻りますが、国家試験に受けている方はある程度大学からもお墨付きをいただいている方、つまりある程度合格できるであろうと思われる方の集まりですので、国家試験の合格率も高くなっています。
ならばとりあえず受験割合も高く、合格率も高い大学に行けばいいのでは?と思いますよね?
大学をどう選んだらいいのか
大学を卒業したあとに、仕事で何をしたいかだと思います。
正直大学入る前にそんなこと考えるのは難しいとは思いますが。。
というのも、薬剤師として家の近くの病院や調剤薬局で働くのであれば、上に書いたように受験割合も高く、合格率も高い大学に行くのもいいと思います。はたまた家の近く、キャンパスライフが楽しそうなところとかの基準でもいいかもです。
病院や調剤薬局では薬剤師になってしまえば、卒業大学なんて関係ないです。学校の派閥があるわけでもないですので。大学のランクが低いからどうとかないです。同じ薬剤師ですから。
でも、企業で働きたい、特に大手の製薬メーカーとか有名会社で働きたい、がん研究センターで働きたいというような希望がある方は、ランクがある程度高いところに行ったほうがいいです。
薬剤師といえど、やはり大手企業や有名病院の場合、どうしても学歴フィルターみたいのはあると思います。そしてそういった狭き門には上位大学の薬剤師もわんさか希望を出してきますので。
企業を希望する方は本当に薬剤師資格が必要かも考えていいかもですね。製薬メーカーのマーケティングとかは薬剤師資格持っているほうが珍しいです。むしろ文系でそういうことを勉強してきた人のほうが多いかもです。
なんのために薬剤師資格を取ろうとしているのかを今一度考えてもいいと思います。もちろん人生の保険で資格を取るというのもありですが。
ですので、大学選びは卒業後に何をやりたいかで選ぶのがいいと思います。
是非、親御さんや先生方が導いて欲しいと思います。
まとめ
だらだら書きましたが、
・薬剤師になるには6年制の薬学部を卒業
・卒業試験と国家試験に合格
・国家試験の合格率が高いのはある程度合格できそうな人が受けているから
・近くの病院や薬局で働くのであれば大学のランクは気にしなくていい
・企業や有名病院で働くのであれば上位ランクの大学に行ったほうがいい
・企業希望の方は本当に薬剤師資格が必要なのかも考えていいかも(なんのために薬剤師資格をとろうとしているのか)